廃棄物資源循環学会誌
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特集:小規模分散型生活衛生インフラの国内外の動向と今後の展望
グローバル・サニテーションの実現に向けた分散型生活衛生インフラの役割
原田 英典
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2025 年 36 巻 3 号 p. 209-215

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抄録

持続可能な開発目標において,狭義のサニテーションに留まらない包括的な生活衛生インフラの実現が,グローバル・イシューとなった。分散型生活衛生インフラの重要性は,農村のみならず,都市における包括的サニテーション(CWIS)イニシアティブの下,都市部においてもメインストリーミング化しつつある。一方,都市衛生サービスの中で主要な温室効果ガス(GHGs)の発生源でもある腐敗槽は,その在り方が問われる。近年では,水・衛生分野の気候レジリエンスの議論も活発化している。これら諸課題に対し,日本のし尿汲取と処理の普及は,短期間で生活衛生改善を実現する社会的なモデルとなる。独自に発達した浄化槽,し尿処理施設等のハードな技術のみならず,ソフトな技術・仕組みも含めた高度な分散型エコシステムは,大きな可能性を有する。災害対応先進国である日本の災害レジリエンスの知見は,気候レジリエンスの分野にも援用しうるであろう。

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