自然環境地域等において放流先が得られない場合のトイレ整備として,自己処理型トイレが環境配慮・資源循環型トイレの一つとして注目されている。
すでに山岳地,河川敷,イベント会場,工事現場等,既存のインフラに頼れない場所で実用化され,実績もあげている。一方で,過大な使用条件や維持管理面の対応不足等によって,不具合が発生している事例も少なくない。本稿では,自己処理型トイレの処理技術と特徴を整理し,これまでに適用されている設置例を紹介するとともに,その技術について実証過程で得られた評価と課題を取りまとめた。さらに,この技術は自然災害現場における被災地,避難所においても,避難所トイレの劣悪な環境から脱却するために有効な手段として注目されている。これらの技術が各所で活用されるために必要な事項を整理し,今後の展望については社会基盤として整備していくための課題を述べる。
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