2015 年 25 巻 4 号 p. 207-213
アンテドラッグは「副作用のない医薬品」を目指して、不活性代謝物に単代謝されるようにデザインされた医薬品であり、ソフトドラッグとも呼ばれる。局所投与用のステロイド剤の普及で飛躍的にその価値が認められ、薬効を最大限に活かした副作用のない医薬品の開発方法として、多くの医薬品にアンテドラッグ的な分子設計が応用されてきた。低分子医薬品の開発が低迷している今、開発中の医薬品も数多い。本稿では、アンテドラッグ/ソフトドラッグの特徴、生体内変換酵素として利用できる加水分解酵素について説明し、さらに、デザイン方法に準じて、開発中の医薬品を含めて代表的なアンテドラッグ/ソフトドラッグの例を紹介する。