2017 年 27 巻 3 号 p. 160-167
Th17細胞と呼ばれるヘルパーT細胞は、近年見出された第3のT細胞サブセットであり、さまざまな自己免疫疾患において中心的な役割を果たしていることがわかってきた。核内受容体RORγは、このTh17細胞の分化・活性化機構に深く関与していることが示唆されており、有望な創薬ターゲットとして注目を集めている。筆者らは新規RORγアンタゴニストの創製を目指し、HTSにより見出された化合物1からの合成展開を実施した。in vitro活性向上の他に、リスク構造の回避、代謝安定性ならびにCYP阻害改善を課題とし、それらを解決するためにLEとFsp3を指標とした変換を行った。さらに、共結晶X線構造解析の知見(U字形の活性コンフォメーション)を利用し、化合物のコンフォメーション固定を行った。結果、in vivo評価(経口投与)で薬効が認められた化合物41を見出すことに成功した。