2019 年 29 巻 1 号 p. 29-32
マイクロ流体デバイスを基盤技術とするMicrophysiological systemは、前臨床試験における医薬品候補化合物の薬効毒性評価の高精度化を実現する新規評価技術として注目されている。これまでに、肺や肝臓、小腸、腎臓をはじめとする主要な臓器モデルが提案され、in vitroで生理学的な環境を模倣することで、従来の培養系では成し得なかった培養細胞の機能の維持や発現を実現している。本稿では、Microphysiological systemのコアであるOrgan-on-a-chipを中心にこれまでの研究内容を概説するとともに、実用化に向けた課題についても解説する。