2015 年 46 巻 2 号 p. 126-132
これまで様々な議論が重ねられてきたが, プロフェッショナリズムの定義は定まっていない. 定義の詳細な議論に終始することは妥当ではなく, プロフェッショナリズムは患者・社会からの信頼を得るためのものであるという基本的な概念を理解して, 実際に教育実践を行っていくことを優先すべきである.
実際の教育に際して重要なことは, 状況依存的なプロフェッショナリズムを考えること, 個人だけではなく社会との関係にも焦点を当てること, 専門家個人と専門職集団の両方の属性を考慮することである. 行動のリスト, コンピテンシーを挙げるような規範に基づく教育に重点を置くのではなく, 省察を中心に据えた教育を行い, プロフェッショナリズム教育がひいてはプロフェッショナル・アイデンティティ形成につながるようにすべきである.