2022 年 53 巻 3 号 p. 229-236
近年, 医師国家試験改善検討部会をはじめとして, 医師国家試験のCBT化に関する議論が行われている. マルチメディア等を用いた出題形式の多様化, 災害時・パンデミック時への対応などがその理由である. これらの背景から, 筆者らは医師国家試験CBT化を実現するにあたっての研究に取り組んでいる. 令和3年度では, オープンソースのシステムを利用した医師国家試験CBTトライアルを実施した. トライアルを全国10大学で実施され, 大半の受験者は大きな問題もなく受験していた. 将来的にCBT形式の医師国家試験が実現することで, 試験準備体制の簡略化や有事に備えた複数受験体制の整備, より多様な出題形式による受験者の能力評価などが可能になると考えられる.