2022 年 53 巻 5 号 p. 437-445
昨今, 臨床で感染症に対峙する能力が求められている. 今回, シミュレーション教育を基盤とする医学部学生用感染症実践シミュレーションコースを開発した. 本コースは, 医学部カリキュラムとして必修単位化, チュートリアル方式によるスモールグループ教育の採用, 模擬患者の医療面接とシナリオシミュレーション, 学生間のディスカッションと発表, ワークシート利用による効率的な要点学修, OSCEによる評価, 感染症指導医によるコースディレクション, 全診療科医師の教育参画による全学的取り組みである. 特に, 学生が考え相互に気づき与え合うように誘導できるように設計した. また教育参画によるその医師への生涯教育効果も期待された.