本稿では,パブリックスペースで人びとが過ごす際,人びとがものを持ち込んでいる(環境への働きかけ),人間が場所を選択している(環境の読み解き)ことを「環境の使いこなし」と定義し,公園でピクニックなどをしている人びとを対象に,滞在している人びとが持ち込んでいるものとそのまわりに広がる物理的環境について,分析・考察を行い以下の知見を明らかにした。
公園でものを持ち込み滞在する人びとが持ち込むものは,敷物類が多く,屋根類やイス類と組み合わせて過ごしていること,椅座位の目線高さ以下が大半であること,まわりに広がる物理的環境は,樹木類が多いこと,床座位・椅座位の目線高さの環境要素は少ないこと,などの特性が明らかとなった。併せて,環境を使いこなす人間像として,与えられた環境を単に使う「だけ」の存在ではなく,能動的に環境に関わることができる人間像を示唆した。