抄録
数学的モデリングの教材として,「太陽光パネルによる家庭発電」の問題を取り上げ,中学生有志を対象に,その問題解決に挑戦させてみた。その際,数学的モデリングにおける条件設定と検証場面に焦点をあて,日本の中学生の問題解決スキルの様相を捉えようと試みた。この種の問題解決スキルは,社会を切り拓く人間教育をめざした数学的モデリングの数学的活動に欠かせないものである。その結果,全般的に複雑な現実事象の問題場面から条件設定が適切に行えないことや,一定の正解には至るものの不確定な数値や条件を取り扱うモデリングスキルが不十分であることが分かった。また,中学3年生にはこのような問題解決が可能であることも窺えた。