数学教育学会誌
Online ISSN : 2434-8899
Print ISSN : 1349-7332
現象の変化とグラフを関係づける表現力の育成に関する事例研究
歩く動作と「時間と距離のグラフ」の関係を考察する遠隔協同学習
佐伯 昭彦末廣 聡中谷 亮子土田 理
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2013 年 53 巻 3-4 号 p. 107-119

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抄録
本研究の目的は,遠隔協同学習におけるコミュニケーション活動が現象の変化とグラフを関係づける表現力にどの様に影響したかを明らかにすることである。そのために,本研究では,歩く動作と「時間と距離のグラフ」に関する問題を出し合う遠隔協同学習において,歩く動作を体や文章で表現したり解釈したりする数学的活動を取り入れた実験授業を行った。その結果,以下のことが明らかになった。
(1)文章等を読み取り現象の変化をグラフで表現する能力が高まる傾向があった。
(2)グラフを読み取り現象の変化を文章等で表現する能力が高まる傾向があった。
(3)歩く動作の変化を伴って変わる時間と距離の関数関係として捉える生徒の意識が高まる傾向があった。
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© 2013 (一社)数学教育学会
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