日本内科学会雑誌
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今月の症例
黒色便を主訴に発見された,高度肝障害・腎障害を伴うデング出血熱の1例
菱沼 眞子物江 真司三宅 忍幸鈴木 貴久加藤 拓樹川端 厚
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2020 年 109 巻 12 号 p. 2545-2552

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抄録

47歳,女性.1週前に38℃以上の発熱,それ以降,持続する腹痛,関節痛ならびに黒色便を主訴に受診.来院時は解熱し,血液検査で高度の肝腎障害及び血小板減少(血小板0.5万/μl)を,上部消化管内視鏡検査で胃内広範の湧出性出血を,末梢血スメアで異型リンパ球を2割程認めた.ウイルス感染後の特発性血小板減少性紫斑病様病態を疑い,病歴再聴取し,フィリピンへの渡航歴を確認,保健所を通じ,デング3型感染症と診断した.

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© 2020 一般社団法人 日本内科学会
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