メソドロジー研究部会報告論集
Online ISSN : 2759-5684
ラッシュモデルの導出
住 政二郎
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2013 年 3 巻 p. 83-101

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抄録
本稿の目的は,靜哲人(2007).『基礎から深く理解するラッシュモデリング:項目応答理論とは似て非なる測定のパラダイム』関西大学出版部. をもとにラッシュモデルの導出について解説することである。靜(2007)はラッシュモデルについて日本語で読める数少ない貴重な書籍である。前半の5つの章を数学的予備知識の準備に当て,文系読者でもラッシュモデルを文字通り深く理解することができる。より重要なことは,ラッシュモデルの概説にとどまらず,教育測定の客観性について深い考察を加え,ラッシュモデルに到達する必然性が述べられている点である。しかし,「第7章ラッシュモデルの導出」にはほんの一部だが重要な誤りがある。そこで著者の許可を得て,本稿でその誤りを修正し,靜(2007)をもとにラッシュモデルの導出について解説することにした。その意図は誤りを指摘することではない。初学者が,靜(2007)をどのように読み,どのように理解したのかを紙面で再現し,次の読者の伴走をすることである。身の丈を上回る課題ではあるが,著者が情熱を込めてまとめたこの本を,これからラッシュモデルについて学ぶ院生,そして教育測定に関わる人に読んでもらいたい一心である。
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© 2013 外国語教育メディア学会(LET)関西支部メソドロジー研究部会
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