2010 年 13 巻 1 号 p. 20-24
目的:院外心停止例搬送中に,胸骨圧迫がどのくらいの頻度で施行されているかを調査した。方法:2007年4月1日より同9月30日までに当協議会担当地域で発生した院外心停止例を対象とした。ECGモニタ波形から胸骨圧迫と推定できる部分を同定し,30回の連続した胸骨圧迫中少なくとも連続20回以上を同定できた場合,これを1周期として,その頻度を計側した。結果:対象は113例。ここから1,455周期(1例平均19周期)の胸骨圧迫を同定し,その頻度を計測した。胸骨圧迫の頻度は76回/分~226回/分に分布し,平均値は124回/分,中央値は117回/分であった。結論:今回の調査では,推奨される胸骨圧迫の頻度である100/分から平均値・中央値ともに大きく解離していた。このため当協議会は全救急車にメトロノームを搭載し,推奨頻度にあわせて胸骨圧迫することとした。