抄録
言語テストの多くは,熟練した試験官や採点者が学習者のライティングやスピーキングを評価するという形式を取っている。しかしながら,熟練した試験官を育成するには,かなりの時間が必要とされる。また,いかに熟練した試験官たちが厳密な基準に基づいて評価を下したとしても,複数の試験官の評価が完全に一致するとは限らない。そのような状況において,客観的な評価基準と統計モデルを用いて習熟度を推定する技術を開発することは,言語教育分野にとって非常に有用なことである。本稿では,習熟度推定の現状と課題を論じ,著者たちが行った二つのパイロット・スタディを紹介する。最初の研究は,スピーキングのデータを対象として,専門の評価者(人間)が判断したレベルを予測する試みである。そして,もう一つの研究は,ライティングのデータを対象として,別の評価システム(機械)が判断したスコアを予測する試みである。