衛生動物
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有機燐製剤のフイルド実験について
藤戸 貞男武衛 和雄遠藤 斉彦宅見 竜雄夏目 俊夫稲葉 祐一
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1959 年 10 巻 3 号 p. 197-201

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抄録
1.大阪府下の一農村においてマラソンの粉末, 油剤, 乳剤の各形態のものを用いてフイルド実験を行つた. 2.効果の判定にははえとりリボン, フライグリルを用いたが, 屋内台所, 牛舎におけるイエバエの消長は対照地区(薬剤無撒布地区)との間に明瞭な差があらわれ, 撒布地区における顕著な減少がみとめられた.3.ごみ集積場においては粉末撒布のばあいに効果の持続性が大きい.4.便池におけるはえ幼虫駆除の効果は, 乳剤では稀釈濃度0.025%まで, 粉末では1m^2あたり25gで認められたが, 7日以上効果の持続性を期待するためには粉末を100g以上撒布する必要がある.また肥料溜に対しては, 1回の撒布によつて便の追加投入が行われない限り発生はみられないものと考えられる.
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© 1959 日本衛生動物学会
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