抄録
殺虫剤のfilm contactにおける(KT)_<50>値の評価は, 同一殺虫剤においても時に著しく変動することがあり, その要因の一つは, 微量のmoistureであることを前報で明らかにした.そしてその影響性は, 殺虫剤の種類, 特に蒸気圧の大小ならびに処理面の物理性の差異によつて大いに異り, それらの条件とmoistureが相関連してknock down効果を著しく変動させることを報告した.今回は殺虫剤を処理した面が, 吸収性の高い処理面であるか非吸収性のそれであるかによつて, moistureの影響性が全く相反した傾向を示す現象を実験的に更に詳細に追求し, 残渣の行動とmoistureの影響性について一つの知見を得たので報告する.