衛生動物
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エチオピアにおける Simulium damnosum の吸血活動の日週期性について
金子 清俊斎藤 一三ウォンディ テフエラ
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1973 年 24 巻 2 号 p. 175-180

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抄録

オンコケルカ症は, エチオピアにおいては数多い寄生虫性疾患のなかでも重要な一つである。とくにその媒介昆虫であるブユの生態学的調査は疫学的に意味が大きい。この報告は, オンコケルカ症の媒介種であるSimulium damnosumの人に対する吸血活動の日週期性について調査したものである。人を吸血しに来たブユの採集場所は河畔の木蔭と, 遮蔽物のない直射日光のあたる日向に各一カ所を選定した。日向では早朝, 温度と照度が上がるとともに人に飛来し始める。しかし, 照度が急激に増加するに従ってブユの数は減少する。すなわち1日のうちの吸血活動時間は朝の9時頃と午後5時頃に2峰性のピークがあり, 昼間にはピークがみられない。日蔭では1日を通じて吸血活動に差異はなく, 顕著なピークは見られなかった。

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© 1973 日本衛生動物学会
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