1982 年 33 巻 4 号 p. 319-323
蚊幼虫に対し殺虫力を示す抗生物質を産生する放線菌株が土壌中より分離された。この菌株は特徴的な胞子のうを形成することや, 細胞壁の化学組成その他の性質からStreptosporangium albidumと同定された。分離菌株に対する培養条件の検討が行われた結果, アカイエカ1齢幼虫に対し, 培養ろ液の8,000∿10,000倍の濃度で殺虫力を示す物質が産生された。この物質は蚊の蛹に対しては殺虫力を示さないことから, ある種の経口毒であると推測される。