衛生動物
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テメフォスおよびフェニトロチオンの渓流底生生物に対する影響
長谷川 淳一安野 正之斎藤 一三中村 譲畠山 成久佐藤 英毅
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1982 年 33 巻 4 号 p. 363-368

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抄録

殺虫剤処理後の底生生物の流下パターンは, 種間および殺虫剤間で著しく異なった。A. annandalei(アナンデールヨコエビ)は殺虫剤処理直後に顕著な流下を示したにもかかわらず, 処理3日後の調査では多数の個体が採集された。Baetis sp.(コカゲロウ), Nemouridae(オナシカワゲラ), Epeorus sp.(ヒガタカゲロウ), Perla quadrata(クロヒゲカワゲラ), Simulium sp.(ブユ)はいずれの殺虫剤に対しても互いに同じ流下パターンを示したが, 流下開始時間およびピークはフェニトロチオン処理後のほうが早かった。Dolophilodes sp.はテメフォス処理では最も流下が遅く, フェニトロチオン処理では流下しなかった。Arctopsyche sp.(シロフツヤトビケラ)およびG. dehaanii(サワガニ)はいずれの殺虫剤処理でも影響を受けなかった。

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© 1982 日本衛生動物学会
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