カミキリモドキ科の甲虫は体液中にカンタリジンを含み, 人体皮膚に著しい水疱性皮膚炎を引き起こすことが知られている。日本には現在までのところ50種を越えるカミキリモドキが分布しているが, 実際に被害が報告されているのはわずか9種に過ぎない。今回, 筆者はマダラカミキリモドキOedemera (Oncomera) venosa (Lewis), スジカミキリモドキChrysanthia viatica Lewis, フタイロカミキリモドキOedemera (Oedemera) sexualis Marseulによる被害例に関する知見を得たので, その被害状況について報告した。マダラカミキリモドキ, スジカミキリモドキに関しては日本で初めて被害が確認されたもので, その結果, 日本からは合計11種のカミキリモドキによる病害が報告されたことになる。