日本組織適合性学会誌
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原著論文
Reverse dot blot法を利用した,ヘテロ接合体からの新たなDPB1アレル(DPB1*JYO)の直接塩基配列決定
兼重 俊彦内田 清久木下 朋子橋本 光男福西 孝信
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1994 年 1 巻 1 号 p. 65-66

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抄録

HLA-DPB1タイピングで既知のアレルと異なるprofileを示した試料JYOの塩基配列解析を行った.塩基配列決定にはPCR産物をプラスミドベクターにクローニングする方法(;常法)と併せ,reverse dot blot法のpositive spotより鋳型を調整し直接塩基配列決定を行う方法を用いた.これらの塩基配列解析によりJYOのDPB1アレルはDPB1*0202と,DPB1*0402のcodon 36がGCG(Ala)に置換した新たなアレル(DPB1*JYO=5101)のヘテロ接合体であることが分かった.今回我々が開発した,reverse dot blot法を利用した直接塩基配列決定法は,クローニングステップを必要とせずにヘテロ接合体アレルからも,信頼性の高いデータが短時間の内に得られることから有用である.

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© 1994 日本組織適合性学会
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