2003 年 10 巻 1 号 p. 11-19
我々は日常, HLA-A, B, C検査に血清学的検査法とDNAタイピング法を, HLA-DRB1検査にDNAタイピング法をそれぞれ実施している. DNAタイピング法としてはPCR-microtiter plate hybridization(PCR-MPH)法とPCR-single-strand conformation polymorphism(PCR-SSCP)法を通常用いている. これらのタイピングで, HLA抗原型またはHLAアリルが確定できなかった場合に, sequencing based typing(SBT)法によりHLAアリルの確認を行なっている. SBT法で新対立遺伝子を含むヘテロ接合体が検出された場合は, 新対立遺伝子を含む一方の染色体の遺伝子領域を増幅し, その塩基配列の決定を行なった. それらのアリルのうち, 7種類がWHO HLA命名委員会によりそれぞれ公認, 命名された(A*0259, A*020107, B*5609, B*5131, B*5205, DRB1*1444, DRB1*1445). A*0259は, A*020101と比較して第2エクソンに位置する塩基125のGがAに置換することにより, コドン18のGlyがSerに変異していた.