日本組織適合性学会誌
Online ISSN : 2187-4239
Print ISSN : 2186-9995
ISSN-L : 2186-9995
原著論文
日常検査において見出されたHLA-A,B,DRB1の新対立遺伝子(A*0259,A*020107,B*5609,B*5131,B*5205,DRB1*1444,DRB1*1445)について
清水 まり恵柏瀬 貢一田中 秀則植木 純一峯元 睦子市原 孝浩菅原 直子栗田 裕子中島 文明中村 淳子内野 郁代津久井 和夫佐竹 正博中村 榮一
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 10 巻 1 号 p. 11-19

詳細
抄録

我々は日常, HLA-A, B, C検査に血清学的検査法とDNAタイピング法を, HLA-DRB1検査にDNAタイピング法をそれぞれ実施している. DNAタイピング法としてはPCR-microtiter plate hybridization(PCR-MPH)法とPCR-single-strand conformation polymorphism(PCR-SSCP)法を通常用いている. これらのタイピングで, HLA抗原型またはHLAアリルが確定できなかった場合に, sequencing based typing(SBT)法によりHLAアリルの確認を行なっている. SBT法で新対立遺伝子を含むヘテロ接合体が検出された場合は, 新対立遺伝子を含む一方の染色体の遺伝子領域を増幅し, その塩基配列の決定を行なった. それらのアリルのうち, 7種類がWHO HLA命名委員会によりそれぞれ公認, 命名された(A*0259, A*020107, B*5609, B*5131, B*5205, DRB1*1444, DRB1*1445). A*0259は, A*020101と比較して第2エクソンに位置する塩基125のGがAに置換することにより, コドン18のGlyがSerに変異していた.

著者関連情報
© 2003 日本組織適合性学会
次の記事
feedback
Top