日本組織適合性学会誌
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総説
第2回関節リウマチとHLA
土屋 尚之
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2008 年 15 巻 3 号 p. 235-248

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抄録

関節リウマチ(RA)の発症および重症度と, HLA-DRβ鎖のposition 7-74にQKRAA, QRRAA, RRRAAのいずれかをコードするHLA-DRB1アリルとの有意な関連は, 集団を超えて確認され, RAにおけるもっとも確立した疾患感受性遺伝子と認識されている. これらの配列は“shared epitope”と総称され, HLA-DRB1*0401, 0404, 0405, 0410, 0101, 1001, 1402などがこれをコードする代表的なアリルである. この関連の分子機構は未解明であるが, 近年, HLA-DRB1 shared epitopeとRAの関連は, 特に抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体陽性RA群において顕著に認められることが明らかになった. また, MHC領域には, HLA-DRB1以外にもRA感受性遺伝子が存在することが強く示唆されている. 今後, これらの知見を, 病因解明, 創薬, 個別化医療, 予防医学に連結する研究が期待される.

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© 2008 日本組織適合性学会
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