2014 年 21 巻 2 号 p. 105-118
腎移植の成績は,免疫抑制剤の進歩により,格段に良くなった。それまでは,拒絶反応を少しでも少なくするために組織適合性HLAの一致が求められ,適合者が選択されてきた。しかし,免疫抑制剤の進歩により,HLAの適合度が腎移植成績に与える効果は低くなった。その後,高感度の抗HLA抗体検査が可能となり,組織適合性検査の重要性が見直されてきている。腎移植における組織適合性検査の重要性を認識できるよう,腎移植の現況を解説し,組織適合性検査の関わりの詳細を解説する。また,現在の組織適合性検査の問題点,今後の展望を述べた。