日本組織適合性学会誌
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総説
イヌMHC遺伝子群の多型性と犬種内および犬種間におけるDLAハプロタイプの多様性の特徴
宮前 二朗岡野 雅春片倉 文彦森友 忠昭椎名 隆
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2024 年 31 巻 1 号 p. 29-40

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抄録

イヌは小動物臨床における最も重要な伴侶動物の一種である。イヌの主要組織適合性複合体(Dog leukocyte antigen, DLA)遺伝子群の多型情報の整備は,疾患関連解析の実施や,造血幹細胞や体性幹細胞の他家移植による再生医療やがん免疫療法などを含む先端獣医療の発展に向けて必須である。これまでDLA class II遺伝子群については大規模な多型解析が実施されていたが,DLA class I遺伝子群の多型解析は極めて少なく,多型性は不明であった。筆者らはこれまでに59犬種829頭の日本国内のイヌについてDLA多型解析を実施した。本稿では,筆者らが解明したDLA class I遺伝子領域の新規構造多型やDLA class I遺伝子群の多型性に加え,DLA class Iおよびclass II遺伝子を含む犬種内および犬種間のDLAハプロタイプの多様性の特徴についての最新情報を概説する。

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