ゲノムワイド関連解析(GWAS)や次世代シークエンシング(NGS)などの網羅的なゲノム解析手法の進歩により,薬剤の反応性の個人差には,ヒト白血球抗原(HLA)や薬物代謝酵素における遺伝子バリアントが関連することが示されつつある。特に薬疹の発症リスクにはHLAアレルが関連していることが多数報告されている。これらのゲノムバイオマーカーを用いて,薬疹の発症リスクが高い患者には適切な薬物治療を提供する精密医療の社会実装が期待されている。筆者らは最近,潰瘍性大腸炎や関節リウマチの治療薬であるサラゾスルファピリジンが誘発する薬疹の発症リスクに独立して関連するHLA-A*11:01,HLA-B*39:01およびHLA-B*56:03を同定した。本稿ではサラゾスルファピリジン誘発薬疹に関連するHLAアレルに加えて,それ以外の薬疹に関連するゲノムバイオマーカーに関する知見を概説する。