2021 年 83 巻 2 号 p. 105-118
空気熱源ヒートポンプを活用してトマトを栽培する,関東地方に設置された2棟の太陽光利用型植物工場において,電力需要特性を分析し,エネルギー管理指標を提案した。電力エネルギーの85 %以上がヒートポンプで使用され,外気温と高い相関があった。通年の指標として,「栽培施設の単位表面積あたりの月間電力使用量」(面積原単位)が有効であった。管理の基準値は外気温をもとに求められたが,作型や栽培施設内設定気温によって異なった。暖房時の安定生産期間では,「面積原単位/単位床面積あたりの月間収量」が有効であり,改善のために,提案した省エネ対策に加え,二次育苗を活用した生産期間延長等,栽培面での対策が必要と考えた。