日本組織適合性学会誌
Online ISSN : 2187-4239
Print ISSN : 2186-9995
ISSN-L : 2186-9995
総説
ウシ主要組織適合性複合体が牛伝染性リンパ腫ウイルスの乳汁を介した感染に及ぼす影響と感染対策
中土 亜由美間 陽子
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 32 巻 2 号 p. 47-58

詳細
抄録

ウシMHCはBovine leukocyte antigen (BoLA)と呼称され,ウシの23番染色体にマッピングされている。BoLA-DRB3は,BoLAクラスII遺伝子の中で最も多型性が高く,これまでに386種類のアレルが報告されている。この遺伝子座の特定のアレルは,全世界に蔓延し畜産界に甚大なる被害を及ぼしている牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)の感染に伴う地方病性牛伝染性リンパ腫等との強い関連性が報告されている。本総説では,近年明らかになったBLVの水平・垂直感染とBoLA-DRB3との関連性を概説すると同時に,特に,著者らが明らかにしたBoLA-DRB3がウシ乳汁中のBLVプロウイルス量,抗BLV抗体量および感染性に及ぼす影響,およびBoLA-DRB3とBLV感染が複合的に乳汁に関する経済形質に及ぼす影響について紹介する。最後に,BoLA-DRB3に基づくBLV感染個体の乳汁を介した理想的な感染対策を考案したのでこれについても紹介する。

著者関連情報
© 2025 日本組織適合性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top