日本組織適合性学会誌
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臓器移植(2)─臓器移植における日本型バーチャルクロスマッチ導入の意義と展望─
岩見 大基
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2026 年 32 巻 3 号 p. 164-170

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抄録

臓器移植におけるクロスマッチ検査は拒絶反応リスクを予測する重要な検査であるが,従来のフィジカルクロスマッチ(PXM)は検体輸送や時間的制約など課題が多い。これを解決する新手法として,ドナーHLA型とレシピエント抗HLA抗体情報を照合するバーチャルクロスマッチ(VXM)が注目される。VXMはシングルアンチゲンビーズ法(SAB法)に基づき,in silicoで組織適合性を高精度に判定でき,海外では米国,英国,欧州,豪州などで導入が進む。本邦でも2023年に日本臨床腎移植学会においてVXM導入検討ad hoc委員会が設置され活動を開始し,厚労省において抗体陰性例でのPXM省略が2025年に承認された。今後は抗体情報の統合管理,SAB法の限界補正,AIによる解析精度向上,自然抗体やドナーHLAタイピングの標準化が課題である。VXMは効率的で公平な移植実現に向けた中核技術として期待される。

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