2026 年 32 巻 3 号 p. 156-163
既存ドナー特異的抗体(DSA)陽性レシピエントに対する腎移植は移植後早期に急性抗体関連型拒絶反応(ABMR)や移植腎廃絶を引き起こす危険性が高いために敬遠されることが多かったが,近年Rituximab,血漿交換,ガンマグロブリン大量療法を中心とした術前脱感作療法が本邦でも使用可能となり腎移植の適応が広がっている。一方で,移植後に発生するABMRは,免疫抑制療法が進歩した現在でも一定の割合で発症し,移植腎廃絶の大きな要因となっている。そこで本稿では腎移植におけるDSAの意義,既存DSAに対する術前脱感作療法,移植後のABMRの治療戦略について概説したい。