日本組織適合性学会誌
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原著論文
PCR-MPH low resolution plateにおいて未確定となるHLA-DR型についての検討
河賀 泰子内田 純子徳永 和夫佐藤 博行前田 義章
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キーワード: PCR-MPH, PCR-SSCP
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1997 年 4 巻 1 号 p. 6-8

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抄録

PCR-MPH(micro plate hybridization)low resolution plateはPCRにより増幅されたDNAを用い, 16種類のプローブに対する反応パターンによりHLA-DRタイピングを行う方法で, 多量検体を短時間で処理できる良い方法である. しかし, DR13/−, DR11/−, DR1403/−と判定された場合, それらの検体においてはDR14の有無は未確定である事も知られている. この度PCR-MPH low resolution plateを用いて1391検体のHLA-DRをタイピングしたが, 上述のDR型は60例(4.3%)存在した. その内訳はDR13/−が42検体, DR11/−が8検体, DR1403/−が10検体であった. PCR-SSCPにより, それらの検体におけるDR14の有無の確認及びDRB1のアリルの判定を行った. その結果, DR13/一の検体におけるアリルはDRB1^* 1302/−, DRB1^* 1302/DRB1^* 1401, DRB1*1302/DRB1^* 1405, DRB1^* 1302/DRB1^* 1406と判定され, 各々8例, 18例, 9例, 7例存在した. DR11/−の検体はDRB1^* 1101/−が1例, DRB1^* 1101/DRB1^* 1401が5例, DRB1^* 1101/DRB1^* 1405が1例, DRB1*1101/DRB1^* 1406が1例判定された. DR1403/−の検体においては, DRB1^* 1401/−が1例, DRB1^* 1403/DRB1^* 1401が6例, DRB1^* 1403/DRB1^* 1405が3例であった. 結果としてDRB1^* 14のアリルは, その存在が未確認であった60検体中50検体(83%)に見出された為, 確認試験の必要性を認識した.

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© 1997 日本組織適合性学会
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