日本組織適合性学会誌
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シリーズ:血清学
クラスI抗原の共通トレイ
田中 秀則
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1998 年 4 巻 3 号 p. 155-168

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抄録

現在全国の血液センターでは, 濃厚血小板HLA「日赤」供給に必要な成分献血登録者及び骨髄バンク登録者のHLAタイピングを行っている. この検査に使用されるHLAタイピングトレイは, 各トレイ供給センター(全国9センター)または各血液センターで作製されていた, それぞれのタイピングトレイは, 異なる抗血清を使用して作製されていることから, センター間におけるタイピング精度が均一化されていないのが現状であった. このような問題について, 血液センターで構成される「白血球・血小板抗原型に関する研究会」では, タイピング精度の向上と均一化を行うためのひとつとして, 各血液センターで使用するタイピングトレイの共通化について検討を行った. そのため, 全国の各血液センターが保有しているHLA抗血清の再評価を行い, 共通化したトレイの作製およびその供給の可能性について検討を行った. その結果, 量的にも質的にも全国の血液センターで使用するタイピングトレイの供給が可能と考えられ, 平成9年7月より日本赤十字社内で行っている試薬製造業務のひとつとして, HLAタイピング用全国共通トレイ(共通トレイ)の製造及び供給が行われるようになった. ここでは, 以下の内容について概説したい. 1. 共通トレイの製造及び供給システム 2. DNAを使ったHLA再検査システム 3. 共通トレイ使用抗血清について

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© 1998 日本組織適合性学会
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