ミルクサイエンス
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原報
カルシウム・鉄添加牛乳に対する認識における職種および就学分野の違い
小竹 佐知子島村 智子阿久澤 良造
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2004 年 53 巻 1 号 p. 19-25

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抄録

 短期大学生(食物健康分野),看護短期大学生,栄養士,幼稚園・保育園の教諭と保護者の5グループに属する474名の女性を対象として,カルシウム・鉄が添加された牛乳に対する認識についてアンケート調査を行い,Χ2 分析により解析した。“鉄”から連想されるイメージには,「血液」,「貧血」があげられ,グループ間における有意差は認められなかった。一方,“カルシウム”から連想されるイメージでは,栄養士を除く全てのグループで最も多く「骨形成」があげられていたのに対し,栄養士では「骨粗鬆症」をあげた割合が最も高かった。いずれのグループでも,牛乳中に含まれるカルシウム,鉄量を実際に含まれている量より多いと,過大評価していた。栄養士の88.1%と保護者の71.0%がカルシウム・鉄添加牛乳が市販されていることを知っており,また,栄養士の54.8%と保護者の51.8%がそれらの牛乳を飲んだことがあると答えた。しかしながら,カルシウム・鉄添加牛乳に対する彼らの意見は多くが否定的であり,特に栄養士(55.6%)は他のグループのなかでも最も,栄養素添加に対して否定的な意見の割合が高かった。その主な理由として,栄養素を強化された食品より,食品本来の栄養素を摂るべきであると考えていることがあげられていた。

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© 2004 日本酪農科学会
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