ミルクサイエンス
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原著論文
  • 金留 理奈, 阿野 泰久
    2019 年 68 巻 3 号 p. 159-166
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル 認証あり

     高齢化社会が進む日本国内において,認知症や認知機能の低下は大きな社会関心事となっている。しかしながら十分な治療方法が開発されていないため,日常生活を通じた予防は関心が高まっている。近年の疫学調査によると乳製品の摂取は老後の認知機能低下を予防することが知られている。我々の研究グループでは,カマンベールチーズなどPenicillium菌で熟成したタイプの乳製品に多く含まれるβラクトグロブリン由来のグリシン–スレオニン–トリプトファン–チロシン(GTWY)テトラペプチドであるβラクトリンが,脳内のモノアミン量を増加し認知機能を改善することを,モデル動物を用いた試験で報告した。また,プラセボ対照二重盲検試験において,βラクトリン高含有ホエイペプチドがヒトの認知機能を改善することを報告した。しかしながら,ホエイペプチドの脳への作用は十分解明されていない。そのため,本研究では,βラクトリン高含有ホエイペプチドが神経細胞へ及ぼす影響を評価するため,海馬神経新生へ及ぼす影響を評価した。βラクトリン高含有ホエイペプチドを1週間摂取させたICRマウスの海馬神経新生を組織学的に探索した結果,対照群に比べてβラクトリン高含有ホエイペプチド摂取群では海馬歯状回における5–bromo–2′–deoxyuridine(BrdU)陽性細胞数が有意に増加した。また,BrdU陽性細胞は神経細胞のマーカーであるDoublecortin(DCX)やNeuNとの共染色で神経細胞であることが確認された。さらに,βラクトリン高含有ホエイペプチド群では海馬ノルエピネフリン量が増加することが確認された。これらの結果より,βラクトリン高含有ホエイペプチドの摂取は海馬ノルエピネフリン産生増加や,海馬歯状回における神経新生を促進することが示され,これらの作用が認知機能改善に繋がっている可能性が示唆された。

総説
  • 武田 安弘, 篠田 一三, 山内 恒治, 東 徳洋
    2019 年 68 巻 3 号 p. 167-179
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル 認証あり

     Lactoferrin is a multifunctional protein found in the mammalian milk and is particularly abundant in the colostrum. Large amounts of this protein can be prepared from bovine milk using membrane separation technology. Several studies have reported about the physical and chemical properties, physiological functions, and results of clinical trials related to treatment with bovine lactoferrin. Bovine lactoferrin has also been used as a supplement in several foods as a functional material, which has increased its demand in recent years. This review focuses on the applications of bovine lactoferrin in the health promotion and clinical fields, including treatment with the protein to protect against infection and improve anemia. In addition, we report the findings of our study that include assessments of its potential for inhibiting catechol-O-methyltransferase and the results of a clinical trial that used bovine lactoferrin in an enteral liquid formula to treat bedridden patients.

  • 前畑 葉月, 村田 麻衣
    2019 年 68 巻 3 号 p. 180-187
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル 認証あり

     プロバイオティクスは,宿主の健康に好影響を与える生きた微生物を指し,代表的なものとして乳酸菌やビフィズス菌などが挙げられる。近年,平均寿命の延伸や健康志向の高まりから,プロバイオティクスに対する関心が高まっている。さらに,生菌だけでなく,殺菌体や菌の代謝物を含む「ポストバイオティクス」や「パラプロバイオティクス」という概念も浸透しはじめ,それらの機能性研究の活発化と共に製品の市場も拡大しつつある。本稿では,広がりをみせる乳酸菌殺菌体の機能性について述べるとともに,その1つとして,乳酸菌Lactobacillus paracasei MCC1849の免疫賦活作用について紹介する。また,製品開発における乳酸菌加熱殺菌体の有用性についても触れたい。

ショートレビュー
酪農科学シンポジウム2019「乳・乳製品の文理融合の科学」
基調講演
一般講演
ミルクサイエンス特許情報
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