未来共創
Online ISSN : 2435-8010
共創の事例と概念的検討
八木 景之
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キーワード: 共創, 共生
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2020 年 7 巻 p. 49-65

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抄録

 本稿は、共創に関する事例紹介を通して、その概念について次のような指摘をおこなうものである。まず、①共創が行われる際には一種の「効用」が生じるが、その効用は「経済的」および「文化的」という2つの極に分けて捉えることができる。また一方、別の分類を試みる事もできる。②解決すべき課題が不明瞭であり、課題それ自体の探索を目的とした共創(課題探索型)と、すでに課題が明瞭であり、その解決を目的とした共創(課題解決型)、といった分類である。第3節においては、①と②を組み合わせることにより、4象限モデルで共創概念を捉えることを提案し、さらに、その類型間の移行について論じた。そして第4節では、「共創概念」に類似する「共生概念」をとりあげ、その2つの概念を比較した。結論としては、共創概念は(1)動的で(2)創造的、そして(3)人間どうしの関係に焦点をあてた概念であり、共生概念に包含されうる概念であることを指摘した。

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© 2020 本論文著者
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