Medical Imaging Technology
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特集/臨床画像工学研究の未来を担う診療放射線技師
画像処理を用いたCT画像の画質改善と機器オペレーション支援
西丸 英治市川 勝弘
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2011 年 29 巻 1 号 p. 10-16

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抄録
本稿では,小児体幹部CT画像に適応可能な新しいノイズ低減フィルタアルゴリズムと頭部CT検査における撮影角度,撮影範囲を位置決め画像から自動で検出する手法を提案した.空間フィルタのアルゴリズムは,多方向に細分化した一次元のメディアン処理を基本とする三次元処理を行った.その結果,元画像の空間分解能に影響せず,SD値は約30%改善した.また,門脈分枝を用いた視覚評価では,本手法によって門脈の視認性が有意に改善した(p = 0.042).頭部CT検査における自動検出の手法は,撮影角度の検出にはハフ変換,撮影終了位置の検出には相互相関法を使用した.30症例の撮影角度の検出結果は真値との差が1.0±0.7度であった.また,診療放射線技師による視覚評価では93%の試料画像で本手法による解析結果を検査に実用することが許容可能であった.これらの研究は,CT画像における画質改善や撮影線量の低減および機器オペレーション支援に有効になり得ると考える.
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© 2011 日本医用画像工学会
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