2011 年 29 巻 2 号 p. 65-70
我々は2008年より広域連携医療ネットワークシステム研究会(略称:GCM研 http://www.gcm-sso.jp/)を立ち上げ,静岡県の某医師会と地域医療連携を推進している.これまで全国では,地域医療連携にかかわるさまざまな試みがなされているが,それらの多くは限定的な医療機関による連携であり,複数の医療機関がシームレスに医療サービスを利用できる環境にない.またシステム的にはC/S(クライアント/サーバ)方式とWebの組み合わせによる構成で,高価なICT設備の導入やシステムの維持コスト,管理運営の煩わしさなど問題も多く,地域医療連携の普及を妨げる主な原因となっている.そこで,GCM研では,クラウド・コンピューティング技術の活用により,次世代型の地域医療連携システムモデルの研究を進めている.今回はその有効性を実証するために,肺がん検診CR読影システムの試行例を紹介する.