抄録
本論文は,CADの出力の医師による理解向上を目的に,画像所見の一部に欠損が存在しても推論可能なベイジアンネットワークを対象として,診断推論の根拠を導出する一手法を提案する.画像所見の部分集合に対して推論結果に与える影響度を計算し,影響度の大きい部分集合を推論根拠として提示する.提案手法の有用性を確かめるため,判別ルールが明確な人工データを用いた検証実験と,臨床データを用いた評価実験を行った.人工データによる検証実験では,データの約90%で正しい推論根拠が導出された.臨床データを用いた評価実験では,「推論根拠として妥当」を表す評価値3を上回る,平均3.4の評価値を医師から得た.