回転型強度変調放射線治療(volumetric modulated arc therapy, VMAT)は,診断用kV-X線および治療用MV-X線の投影画像からコーンビームCT(cone beam CT, CBCT)画像を再構成することが可能であり,治療中の臓器の位置を同定することが期待されている.本研究ではVMATを肺定位放射線治療に適用し,診断用kV-X線および治療用MV-X線を用いて治療中の標的の位置検出と移動量を評価することを目的とした.臨床例を対象としてVMATによる治療計画を行い,照射中に対象を透過した診断用kV-X線および治療用MV-X線による投影画像を収集し,CBCT画像の再構成を行った.再構成画像から標的の位置検出および移動量を評価した.臨床例において治療中の標的の移動量の評価は可能であり,同一患者でも標的の移動量の日々の変化があることが確認できた.VMATは今までガントリ固定の照射法で同定が困難であった治療中の対象内の構造を簡便かつ低侵襲に評価可能であった.