Medical Imaging Technology
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JAMIT 2013関連の査読付き論文<研究論文>
Bloch-Torreyの式に基づくMRI拡散テンソル画像高速シミュレータに関する研究
藤居 昭吾山本 悦治
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2013 年 31 巻 4 号 p. 217-224

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抄録
Bloch-Torreyの式に基づく拡散強調MRI(DWI)用画像シミュレータは,MRI診断に新たな見識を提供する.しかし,サイズの大きいモデルに対するDWIの計算には膨大な時間を要し,実用化は困難であった.われわれはDWI用高速画像シミュレータを開発したが,本論文ではそれを拡散テンソル画像(DTI)向けに拡張した.DTIの計算では,複数傾斜磁場で形成するMPGの印加が必要である.しかし,これまで開発した高速法では単一傾斜磁場によるMPGにしか対応できない.本論文ではこれを解決するため,MPGの方向と拡散計算のための空間的偏微分の方向とが常に一致するように,数値モデルを回転させた.これにより任意方向のMPGであっても単一傾斜磁場の場合と等価になるので,得られた画像を逆回転させれば所望のDWIが求められる.この操作を種々の方向のMPGに適用し,最後にDTIを求める.提案した方法をヒト脳サイズの二次元数値モデルに適用した結果,理論値と2%以内の誤差で一致することを確認した.
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© 2013 日本医用画像工学会
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