抄録
画像診断装置の進歩は近年著しく,多くのモダリティで高精度の三次元ボリュームデータの短時間での収集が可能となっている.これに伴い,これまで二次元画像を対象に行われていた画像処理アルゴリズムの三次元データへの拡張が求められている.この次元拡張に伴う計算量の増加に対処するため,GPU(graphics processing unit)によるGPGPU(general-purpose computing on GPUs)の応用が広く研究されており,これまで,いくつかの先行研究が報告されている.報告者らはかねてより,超音波画像の位置合わせ性能の向上と自動化について研究を続けてきたが,現在,これまでの超音波画像の輝度値を直接用いて画像類似度を決定する方式に代えて,画像の三次元的な局所統計量に基づいた特徴量を用いる方法の検討を行っており,その研究の一環として,GPUを用いた三次元局所統計量に基づく特徴量計算の高速化を行い,CPUに比較して約16倍から210倍の性能改善が得られた.