Medical Imaging Technology
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31 巻, 5 号
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特集/計算解剖学―画像数理,応用システム,臨床応用の最前線―
  • 森 健策
    2013 年 31 巻 5 号 p. 261-262
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
  • 増谷 佳孝, 本谷 秀堅, 井宮 淳
    2013 年 31 巻 5 号 p. 263-269
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    計算解剖学の応用目的のひとつは臨床画像の頑健な理解である.そのために,臓器形状をはじめとする解剖学的構造物に対し,さまざまな数理に基づくモデルが提案されている.本稿では,まず解剖学的知識の最小単位としての解剖学的ランドマークに関し,その位置決定のあいまい性の問題について述べ,これを定量化する手法について紹介する.次に,形状データの位置合わせ手法である非剛体ICP(iterative closest point)アルゴリズムに対して,臓器形状の統計表現である統計的形状モデルの導入と外れ値の考慮による頑健化について述べる.最後に形状の統計の一例として,変分原理に基づく点群データおよび濃淡画像により表現される形状の平均の計算法について述べる.以上の3項目について,それぞれ臨床データを用いた実験結果とともに紹介する.
  • 佐藤 嘉伸, 岡田 俊之, 横田 太
    2013 年 31 巻 5 号 p. 270-277
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    本稿では,複数の臓器・解剖構造の形状・位置関係の個体差をモデル化し,CT画像を自動セグメンテーションする方法,および,診断・治療支援に適したモデル化への拡張について述べる.筋骨格や腹部などの個体差の大きい形状・位置関係を効果的にモデル化するため,複数臓器の階層的なモデル化,および,周辺臓器から対象臓器の形状・位置の予測に基づくモデル化を行う.股関節の骨格,筋肉,関節軟骨,および上腹部の肝臓,脾臓,腎臓,膵臓,胆嚢,大血管,消化管などのセグメンテーションに適用し,その有用性を示す.さらに,自動セグメンテーションされた臓器形状に基づく診断・治療意思決定支援のため,疾患固有形状変形成分の統計モデル化による疾患識別,および,臓器形状とインプラントを統合した統計形状モデル化によるインプラント手術の最適手術計画について述べる.
  • —基礎と応用—
    藤田 広志, 原 武史, 周 向栄, 村松 千左子, 神谷 直希
    2013 年 31 巻 5 号 p. 278-286
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    本解説論文では,われわれの最近の研究についてその目的と成果の一部を紹介する.本研究は,文部科学省科学研究費補助金・新学術領域研究「医用画像に基づく計算解剖学の創成と診断・治療支援の高度化」の中の一研究プロジェクトである.同領域研究では,計算機による人体の解剖学的構造の完全理解とその診断・手術支援への応用をおもな目的としており,われわれはこの研究目的の実現に向けて,複数の画像モダリティ(CT,MR,FDG-PET,眼底写真,歯科パノラマX線写真など)を用いて,計算解剖モデルの構築やモデルの応用に関する研究を進めている.本稿では、われわれの研究成果から4つを選択して紹介する.
  • —肺がんのコンピュータ支援予後予測—
    河田 佳樹, 仁木 登
    2013 年 31 巻 5 号 p. 287-291
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    本稿は,新学術領域「医用画像に基づく計算解剖学の創成と診断・治療支援の高度化」の研究班(A02-1班)「計算解剖モデルに基づく診断支援」の研究課題のひとつである肺がんのコンピュータ支援予後予測について述べる.近年,CTの革新的な進歩により,肺がん検診にCTを用いる臨床利用が始まっている.肺がんCT検診の有効性は高まる一方で,CT検診で発見される小型肺結節の非侵襲的で検診者の精神的・身体的負担の少ない高精度な診断法が求められている.われわれは,肺がんの検出支援システムの研究開発と並行して拡大CT画像を用いた肺がん診断支援システムの研究開発に取り組んでいる.多数の肺がん症例を用いてCT画像ヒストグラムの定量化から肺がんをタイプ分類する手法を提案し,統計的評価により予後予測への展開が期待できる結果を得ている.ここでは,機械学習やデータマイニング分野で注目されているトピックモデルと呼ばれる確率的生成モデルを用いた肺がんの内部濃度に潜在する特徴の抽出と予後因子としての可能性に関する基礎的な実験結果を報告する.
  • —「メタ解剖情報」に基づく診断・治療支援—
    森 健策
    2013 年 31 巻 5 号 p. 292-298
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    本稿では,新学術領域「計算解剖学」におけるこれまでの筆者らの研究成果から得られた新しい知見「メタ解剖情報」について紹介する.また,実空間から仮想化空間,仮想化空間から実空間,そして,再度実空間から仮想化空間への循環についても議論するとともに,それを可能とする三次元プリンタについても紹介する.大規模画像データベースに基づく腹部CT画像からの複数臓器領域自動抽出,腹部動脈静脈への解剖学的名称自動付与,メタ解剖情報提示,腹腔鏡手術ナビゲーション,三次元プリンタによるメタ解剖情報空間循環などについて概説する.
  • 清水 昭伸
    2013 年 31 巻 5 号 p. 299-303
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    本稿では,オートプシー・イメージング用の肝臓の計算解剖モデルと,それを応用したセグメンテーションアルゴリズムについて紹介する.まず,生体用の臓器ラベルから疑似死体のラベルを生成する方法について述べ,それを用いて構築した計算解剖モデルの性能評価結果を示す.さらに,そのモデルを用いた死体のCT像からの肝臓セグメンテーションアルゴリズムについて紹介する.
  • 木戸 尚治, 平野 靖, 徐 睿
    2013 年 31 巻 5 号 p. 304-310
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    現在進行中の新学術領域研究「医用画像に基づく計算解剖学の創成と診断・治療支援の高度化」において,A03の各計画班はその他の計画班と協力して「計算解剖」の臨床展開を行うことを目的としている.このことに基づきわれわれA03-1では,「計算解剖モデルの診断支援とオートプシー・イメージング支援応用」の研究をすすめている.以前の特定領域研究「多次元医用画像の知的診断支援」において,われわれは,特定の臓器や疾病用のコンピュータ支援診断(CAD)システムではなく,汎用性のある多臓器・多疾病のCADシステムの構築を目指したが,本研究では,計算解剖に基づく診断精度が高くロバスト性のあるコンピュータによる診断・治療支援システムの臨床展開を行うことを目的としている.さらに,現在,社会的にも重要なオートプシー・イメージングを研究対象に加えることにより,生前から死後までの生涯画像を対象としたコンピュータによる診断支援システムの構築を目指している.本論文では,われわれの計画班がこれまでに行った研究成果の中からいくつかを報告する.
  • 富川 盛雅, 橋爪 誠
    2013 年 31 巻 5 号 p. 311-316
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    超音波による同定が困難な乳癌2例に対し,Open MRI治療室にてリアルタイム三次元ヴァーチャルリアリティ・ナビゲーションシステムによる乳腺切除術を施行した.ナビゲーションにより穿刺時の病変と針の位置がリアルタイムに可視化され,マーキングを正確に行うことができた.また,手術時の体位かつ気腹後の状態,すなわち腹腔鏡下手術中の状態でMR画像を取得し,オーグメンティッドリアリティナビゲーションを行った.腹腔鏡下胆嚢摘出術を3例,腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア手術を3例施行した.腹腔鏡下胆嚢摘出術の3例中2例は総胆管の画像誘導により安全に手術を施行できた.腹壁瘢痕ヘルニアの2例中1例は膀胱がヘルニア内に脱出しており,術中のナビゲーションにより膀胱の損傷を回避しつつ,ヘルニア周囲の剥離を行うことができた.Open MRI治療室で行う腹腔鏡下外科手術は現在のところ問題なく施行されている.
研究速報
  • 木原 朝彦, 小畑 秀明
    2013 年 31 巻 5 号 p. 317-324
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/01
    ジャーナル フリー
    画像診断装置の進歩は近年著しく,多くのモダリティで高精度の三次元ボリュームデータの短時間での収集が可能となっている.これに伴い,これまで二次元画像を対象に行われていた画像処理アルゴリズムの三次元データへの拡張が求められている.この次元拡張に伴う計算量の増加に対処するため,GPU(graphics processing unit)によるGPGPU(general-purpose computing on GPUs)の応用が広く研究されており,これまで,いくつかの先行研究が報告されている.報告者らはかねてより,超音波画像の位置合わせ性能の向上と自動化について研究を続けてきたが,現在,これまでの超音波画像の輝度値を直接用いて画像類似度を決定する方式に代えて,画像の三次元的な局所統計量に基づいた特徴量を用いる方法の検討を行っており,その研究の一環として,GPUを用いた三次元局所統計量に基づく特徴量計算の高速化を行い,CPUに比較して約16倍から210倍の性能改善が得られた.
講座
報告
日本医用画像工学会
編集後記
第31巻総目次
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