抄録
生体組織の粘弾性は,生理学的および病理学的状態と関係する.磁気共鳴エラストグラフィ(MRE)は,MRIにより造影剤なしで血管造影を可能とする位相コントラスト法と同様の技術を用いて,生体組織内を伝搬する弾性波を非侵襲的に画像化する.弾性波画像から逆問題を解くことで,定量的な局所組織弾性分布画像(エラストグラム)は再構成される.生体組織内に弾性波を発生させ,MRIによって画像化するために,さまざまな外部加振装置とMRI制御プログラム(パルスシーケンス)が開発されている.また,得られた弾性波画像から定量的なエラストグラムを取得するために,種々の解析手法が提案されている.これらMREを構成する3つの要素は互いに深く依存している.本稿では,MREの研究開発の現状と動向を概説する.