PET 装置におけるリストモード3D再構成は,サイノグラム3D再構成と比較して使用データ量が削減でき,TOF(time of flight)情報を詳細に画像へ反映できるというメリットがある.一方で,リストモード3D再構成はイベント数に比例して計算時間が増加するという問題点がある.本研究では,最も計算負荷の高い順投影・逆投影計算についてCUDA(Compute Unified Device Architecture)を利用した並列計算を行い,計算時間の短縮を試みた.並列化にあたり,リストデータを主方向(LORの方向余弦が最大の主軸)別に並列計算させることによるメモリアクセス効率の向上を図り,TOFカーネルの実装ではテクスチャを利用することで計算量の低減を行った.計算時間の評価では,既存の8 コアCPUの並列計算結果と比較して約7.8倍の高速化を達成した.