2016 年 34 巻 1 号 p. 18-21
MRトラクトグラフィーの神経線維追跡を基本原理として,脳領野を対象とした神経ネットワークの描出・解析を行う手法(structural connectivity analysis)が臨床応用可能となっている.グラフ理論を用いた隣接行列の解析で得られる特徴量からネットワークの全体および局所評価が可能である.近年,アルツハイマー病の発症・進行に認知機能関連の神経ネットワークの断裂・統合障害が関連するとの仮説が提唱されており,アルツハイマー病の診断・進行のバイオマーカーとして神経ネットワーク解析の貢献が期待される.