Medical Imaging Technology
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35 巻, 3 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
特集 / 実用的なCADシステムのための臨床医からの期待と提言
  • 楠本 昌彦
    2017 年 35 巻 3 号 p. 127-128
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
  • 石井 一成
    2017 年 35 巻 3 号 p. 129-133
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    脳機能画像の分野におけるコンピューター支援診断(CAD)システムは,認知症診断の分野で発展してきた.脳糖代謝画像,血流SPECT画像において,画像統計手法を用いた方法が臨床で普及している.この手法は,解析過程においていくばくかのアーチファクトが生じる可能性があり,その信頼性を視覚判定と常に対比する必要がある.現況では,支援診断ではなく視覚診断の支援をするツールとしての位置づけになっており,将来これらの手法の診断精度を高め,エビデンスを確立することで,自動診断まで進展していくことを期待したい.また糖代謝・血流画像以外のアミノ酸代謝画像,レセプター画像,アミロイド画像,タウ画像などへの応用が望まれる.
  • 関谷 浩太郎, 楠本 昌彦
    2017 年 35 巻 3 号 p. 134-139
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    口腔・頭頸部領域における医用画像を,コンピューター支援診断(CAD)への応用を念頭において提示し,画像診断の臨床的意義から,開発の期待される内容を検討した.読影的視点から,これまでの画像においても,病変の進展範囲や解剖構造を同定するCADの開発が期待される.撮像的視点では,物質弁別を行える近年の撮像方法とCADの組み合わせによる,新たな診断法の開発が望まれる.
  • 内山 菜智子
    2017 年 35 巻 3 号 p. 140-145
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    本論文では,乳腺画像診断領域におけるCADの現状と今後の可能性について述べることとする.画像診断において,第一選択となる診断モダリティーは原発臓器によって異なっており,他のがんと比較すると,現状乳腺診断においては,多くの診断モダリティーを要する特徴がある.乳腺におけるCAD(コンピューター検出支援)は,アナログ画像を用いたスクリーニングマンモグラフィーを対象として開発が開始された.その後,超音波,MRIとDBTなどのCADも同様にコンピューター検出支援を目的として開発され,近年これらの検出成績に関して報告がなされている.乳腺画像診断における検出支援機能としてのCADは,他原発がんの画像診断と比較してより多くの必要性を有しており,将来的には単独の診断モダリティーに対応したCADではなく,マルチモダリティーに対応した統合機能を有するCADが必要とされる.また,近年においては,コンピューター検出支援を目的としたCADではなく新しいCADの機能として,乳腺濃度に関する自動解析システムの臨床応用について検討されてきており,それらの成績等についても紹介する.
  • 堀 雅敏, 大西 裕満, 富山 憲幸
    2017 年 35 巻 3 号 p. 146-151
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    腹部臓器のCTおよびMRIは近年進歩が著しい.最新の画像検査技術を用いることで,解剖学的,生理学的,病理学的な状態が詳細に評価できるようになってきている.一方で,これらの画像のもつ情報を正しく抽出して,日常臨床に利用するにはさまざまな問題点も存在する.本稿では,まず,これらの撮像技術について,現在実用化されているものおよび近々普及する可能性のあるものを列挙した.次に,コンピューター支援診断(computer-aided diagnosis; CAD)を含めた工学的アプローチによる問題点改善について,日常臨床経験からの提言をいくつか述べて,将来の上腹部CT/MRIについて考察した.
  • 高橋 哲
    2017 年 35 巻 3 号 p. 152-157
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    泌尿器科疾患という比較的限られた領域におけるコンピューター画像診断支援の将来について,現在の画像診断の現状と問題点も含め,前立腺がんを例として整理することで,問題解決法としてのコンピューター診断支援に何ができるのかを考えたい.そしてわれわれの将来の健康生活増進に役立つ診療戦略をたてるためには,どのようなことがコンピューター支援に期待できるのか,限られた人的資源のために劣悪な労働環境にある本邦の医療従事者一般が,常識的な労働環境を得るためにコンピューターにどのような仕事を分担させていくべきなのか,そのとき,診療放射線技師や放射線科医などの職業を脅かす存在となるのか,脅かされないために人間としての医療従事者がどうあるべきか,考えたい.
研究論文
  • 箕浦 菜月, 寺本 篤司, 高橋 克彰, 山室 修, 西尾 正美, 玉木 恒男, 藤田 広志
    2017 年 35 巻 3 号 p. 158-166
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    PET/CTは形態情報と機能情報が得られるため,乳がんの診断に有効である.本研究では,PET/CT画像から乳腺腫瘍および腋窩転移を自動検出する手法の開発を目的とする.本手法ではまず,CT画像の骨格情報と肺野情報から乳房および腋窩領域を含む領域を抽出する.次に,PET画像ではヘッセ行列の固有値を用いた塊状構造の強調と二値化処理により高集積領域を検出する.検出した高集積領域とCT画像から抽出した乳房領域を重ね合わせることで,乳房領域外の高集積領域が除外され,初期候補領域が決定する.その後,ルールベース方式の偽陽性削除を行って候補領域を得る.検証では,乳がんと診断された10症例のPET/CT画像を用いてFROCカーブを算出し,腫瘍検出能力を評価した.腫瘍検出能力は1症例あたりの偽陽性数が3.9個のとき真陽性率は76%となり,良好な結果が得られた.
講座
  • 池田 充
    2017 年 35 巻 3 号 p. 167-170
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    X線CT(computed tomography)撮影における被ばく線量と画質との関係について,他のX線撮影系と同様に,(非常に一般的な意味において)“被ばく線量を増やせば画質は良くなる”ということができる.したがって,被ばく線量低減と画質との間にはいわゆるトレードオフの関係が成立し,診断に差し支えない範囲内で被ばく線量を可及的に低下させることが原則となる.線量増加による画質改善効果について,多くの自然現象と同様に「飽和」が起こることが期待されるため,最適化の観点から考察することがある程度は可能である.本稿では,X線CT撮影系における被ばく線量と画質との関係について,これまでに検討されてきた事項の中で重要と思われるものについて概説する.
書評
日本医用画像工学会
編集後記
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