抄録
骨のおもな疾患として,骨粗しょう症が挙げられる.骨粗しょう症に対する画像診断は有効であるが,類似した低骨量を呈する画像も多く,画像診断における客観性や再現性の問題がある.そこで本稿では,指骨computed radiography(CR)画像から骨粗しょう症の自動識別手法を提案する.提案手法では,深層畳み込みニューラルネットワーク(DCNN)を用いた識別器を構築し,骨粗しょう症有無の識別を行う.DCNNの学習および識別には,CR画像から3種類の画像を作成し,各指骨領域内部からROIを抽出後,この3種類のROIをR,G,Bチャンネルに割り当て生成した疑似カラー画像を用いる.実験では,101症例に対し提案手法を適用し,真陽性率(TPR):75.5[%],偽陽性率(FPR):13.9[%]という結果を得た.