Medical Imaging Technology
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研究論文
CNNを用いた単純X線画像における腰椎椎体部の検出およびラベリング
髙田 真弘木下 彰川端 茂徳
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2019 年 37 巻 4 号 p. 194-203

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抄録

脊磁計とは,無侵襲に脊髄からの磁場を計測し,得られた磁場から脊髄周辺の電流分布を推定して可視化する装置である.電流分布の推定のためには低線量単純X線画像から脊髄領域を指定する必要があるが,脊髄領域の指定は医師の手により行われているため,電流分布の推定までの処理を自動化できず,検査の高コスト化を招いている.そこで,低線量単純X線画像上の脊髄領域の自動抽出を目的とし,3つのステップ:(i)脊椎椎体部の検出・ラベリング,(ii)脊椎椎体部の輪郭抽出,(iii)脊髄領域の抽出の研究を進めている.本稿では,第1ステップとして,convolutional neural networks(CNN)を用いて腰部の低線量単純X線画像から腰椎椎体部・椎間板・仙骨の検出とラベリングまでを自動で行う手法を提案する.CNNの前処理と後処理の工夫により,ノイズが多く低コントラストな画像においても頑健に検出ができる.実画像60枚を用いた評価により,93.3%の高いラベリング精度を得た.

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© 2019 日本医用画像工学会
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