Medical Imaging Technology
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特集/レディオミクスの臨床応用の可能性を探る
頭頸部癌レディオミクス
亀澤 秀美
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2020 年 38 巻 1 号 p. 10-14

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抄録

頭頸部癌はほかのがんと比べて発生頻度は低いが,種類が多く,発生原因や治療法,予後もさまざまである.従来,病期や組織型,悪性度などの判定結果に基づいた標準治療が実施されているが,同じがんであっても予後不良となる患者が存在し,これは解決すべき問題である.近年,CTやMR画像などのマルチモダリティー画像から,がんの性質を表していると考えられる多数の表現型特徴量(画像特徴量ともいう)を抽出し,それらの特徴量と遺伝子型や患者の予後などとの関係性を解明するレディオミクスに注目が集まっている.レディオミクスにより,がんの性質を治療前に把握できれば,治療後の生存時間や再発,有害事象発生などの可能性を予測でき,さらには,がんの性質ごとに最適な治療方針の決定にも貢献できると考える.そのため,レディオミクスは,がんの精密医療の実用的な方法となる可能性がある.本稿では頭頸部癌に関係するレディオミクス研究をいくつか紹介する.

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© 2020 日本医用画像工学会
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